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生活セントリック
デザインラボ

​東京工業大学 西田佳史研究室

生活を深く理解することで「手に負えない」を「手に負える」へ変化させる生活セントリックデザイン

人間の機能が変化し続けることが当たり前の時代が到来しています。人間の計測・分析、システムデザイン、サービスにおけるUX/UIデザイン、安全工学、複雑システム科学などの従来から人間中心を扱っていたあらゆる領域において、時間変化する人を扱う新たな方法論が求められています。

生活セントリックデザインラボでは、IoT・ロボティクス、人工知能、ビッグデータを活用し、心身機能が変化し続けても、その変化を飲み込み(織り込み済みにし)、その人の生活を安全で社会参加が高い状態へ持続的にデザイン可能にする科学技術領域(パラダイム)の創造を目指しています。

研究機関、行政機関、リビングラボ(実務者)などとの多職種連携によって、子どもや高齢者の生活支援・傷害予防などの社会課題に対し、状況という系を扱う数理技術、ビヘービア・ベースのセンシング技術、個人長期間計測による非エルゴ―ド的人間理解技術、生理・行動・心理・社会モデルを統合した生活モデリング・シミュレーション技術、困難を生み出す背景理由(社会的決定要因等)の考慮によって一段深く行動変容を生み出すエンパワメント技術、などの新たな技術を開拓しながら社会インパクト駆動型で進めています。

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最近のニュース

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9/16 に日本学術会議主催シンポジウム 『動き出す、こどもまんなか安全社会』を開催します。

事故による子どもの傷害は多発しており、傷害データを活用し、子どもの傷害の数を減少させる仕組みの構築が急務となっています。日本学術会議・子どもの成育環境分科会では、見解(案)「こどもの傷害を減らすためのデータ収集および利活用の促進」を取りまとめました。本シンポジウムでは、見解(案)で示す目指すべき社会像と、その社会像の実現に向けて動き出している新たな取り組みを紹介します。課題の指摘にとどまることなく、国や地域で始まっている新たな胎動を参加者と共有すること、また、今後、社会実装を進める上での関係者間のネットワークづくりを促進したいと考えています。詳しくはこちらから。

​当研究室では、見解(案)の基礎となる技術開発にこれまで関わってきましたが、いよいよ社会実装に向けて動きだします。

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9/30に日本子ども安全学会第10回大会プログラム

​日本子ども安全学会第10回大会がオンラインオンラインで開催されます。詳しくは、こちらをご覧ください。

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​スポーツ事故予防の書籍の出版とシンポジウムの開催(9/30)

学校管理下の環境で起こるスポーツ事故予防に関して、最近の新しいデータや知見が反映された書籍(リンク)が出版されました。これに関連したシンポジウム(リンク)が9/30に開催されます。データ分析などにここ数年協力してきました。

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OB/OG会

OB/OG会を開催しました。卒業生の濱田さん、矢澤君、新井君、稲村君、尾崎君、シリーシ君に参加頂きました。

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国際NPO(Safekids worldwide)との連携

​転落防止技術について、国際NPO(Safekids worldwide)との連携が始まりました。

  • Masaaki Ozaki, Yoshifumi Nishida, Tatsuhiro Yamanaka, "​Kindergarten Safety Based on Injury Big Data and AI-Aided Situational R-Map​," Proc. of The Safe Kids Worldwide Childhood Injury Prevention Convention (PrevCon2023), 2023

  • Mikiko Oono, Koji Kitamura, Yoshifumi Nishida, Tatsuhiro Yamanaka, "Exploring an Innovative Passive Approach: Designing a Rotating to Prevent Falls from Balconies​," Proc. of The Safe Kids Worldwide Childhood Injury Prevention Convention (PrevCon2023), 2023

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​受賞のお知らせ

当研究室のTHASSU SRINIVASAN SHREESH BABU君が、日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2023において、ベストプレゼンテーション賞を受賞しました。

  • 対象発表:Shreesh Babu Thassu Srinivasan, Masaaki Ozaki, Mikiko Oono, Yoshifumi Nishida, "Situation-aware System using RGB-D Camera, Spatial Knowledge Graphs and Situation Database―Empowering Caregivers to Take Better Decisions and Prevent Child Injuries ―," 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会予稿集, 1P1-N06, 2022

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研究結果の発表(23/6月)

  • ​[解説]西田佳史, "生活機能が変わり続ける人の長期観察データを用いた非エルゴード的理解," システム制御情報学会誌, Vol. 67, No. 6, pp. 210-217, 2023

  • 佐々木 駿輔, 大野 美喜子, 山中 龍宏, 西田 佳史, "年齢と生活時間の2つの時間が扱える日常生活危険情報のデータ駆動型提示手法," 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会予稿集, pp. 2A1-H08, 2023

  • 篠澤 遼, 大野 美喜子, 堀田 聰子, 西田 佳史, "認知症高齢者の主観的体験の蓄積と活用に関する研究," 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会予稿集, pp. 2A1-H09, 2023

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​研究成果の発表(23/6月 日本小児保健協会学術集会など)

  • 太田 由紀枝, 大野 美喜子, 西田 佳史, 北村 光司, 山中 龍宏, "こどものケガを減らすためにみんなをつなぐプラットフォームSafe Kidsの構築," 小児保健研究, Vol. 82, pp. 128, 2023

  • 山中 龍宏, 太田 由紀枝, 大野 美喜子, 北村 光司, 西田 佳史, "「ニューボーンフォト」の現状と問題点," 小児保健研究, Vol. 82, pp. 128, 2023

  • 大野 美喜子, 尾﨑 正明, 北村 光司, 西田 佳史, 山中 龍宏, "どのような情報提示が予防策考案に有効か?-状況情報量に基づく定量評価-," 小児保健研究, Vol. 82, pp. 129, 2023

  • 大野 美喜子, 尾﨑 正明, 北村 光司, 西田 佳史, 山中 龍宏, "経験によるリスク認知からの脱却に向けた傷害データ利活用ワークショップの効果検証," 小児保健研究, Vol. 82, pp. 129, 2023

  • 佐々木駿輔, 大野 美喜子, 尾﨑 正明, 北村 光司, 西田 佳史, 山中 龍宏, "事故データと生活データを用いた生活行動に付随する事故状況の可視化," 小児保健研究, Vol. 82, pp. 130, 2023

  • 西田 佳史, 稲村圭吾, 大野 美喜子, 山中 龍宏, 日常的な家事や行動をしている最中の注意可能視野の計測," 小児保健研究, Vol. 82, pp. 130, 2023

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研究結果の発表(23/6月 人工知能学会)

  • 北村 光司, 大野 美喜子, 西田 佳史, "RGBDセンサと仮想センサを用いた個人の生活を中心とした生活状況の把握," 第37回人工知能学会全国大会予稿集, pp. 4G3-OS-24d-03, 2023 (熊本城ホール)

  • 野村 彩乃, 大野 美喜子, 北村 光司, 西田 佳史, "高齢者の生活機能理解のための身体保持力場の可視化," 第37回人工知能学会全国大会予稿集, pp. 4G3-OS-24d-01, 2023 (熊本城ホール)

  • 池谷 竜一, 西田 佳史, "外部から観察可能な形状変化情報に基づく新たな力センサ原理の提案," 第37回人工知能学会全国大会予稿集, pp. 4G3-OS-24d-05, 2023 (熊本城ホール)

  • 大野 美喜子, 北村 光司, 野村 彩乃, 西田 佳史, 中原 俊三郎, 河合 恒, "転倒の生活環境的決定要因の理解に基づくホメオスタティック空間デザイン," 第37回人工知能学会全国大会予稿集, pp. 4G5-OS-24d-05, 2023(熊本城ホール)

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2023年度新人歓迎会①

​恒例の新人歓迎会を​行いました。

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「小児科学」第11版 (2023/4/13)

小児科学の教科書の傷害予防の章が、これまでの傷害予防研究の成果をもとに、大幅に更新されました。

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特集号の企画『学術の動向』

『学術の動向』2023年3月号にて、子どもの傷害予防の特集号(事故によるこどもの傷害を減らすためにを企画しました。

  • 特集の趣旨 / 山中龍宏

  • 事故によるこどもの傷害の実態と課題 / 山中龍宏

  • プライバシーを保護したデータ利活用にむけて / 宮地充子

  • 集計データを利活用するためのAI技術とその課題 / 相澤彰子

  • 傷害予防に活用可能な傷害データの収集 / 北村光司

  • 地域の課題を解決する ── 子どもの事故予防地方議員連盟の活動 / 矢口まゆ

  • 人生100年時代の安全知識循環システム ── 心身機能が変化し続ける人のための生活環境デザイン / 西田佳史

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受賞のお知らせ(2023/3/27)

​​修士2年のシリーシ君(左)がエンジニアリングデザインコースの副総代に選ばれ、日本設計計工学会 武藤栄次賞優秀学生賞を受賞しました。

​社会実装・地域連携プロジェクト

川崎市、産業技術総合研究所との共同プロジェクト「川崎ウェルテック」が2021/8/31からスタートしました。

川崎ウェルテック(Kawasaki Welfare Technology Lab)の開所

2021年8月31日

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研究テーマ:人間中心から生活中心へ機械システムの統合原理を拡張する生活セントリックデザイン

人生100年時代の到来により、高齢者か子どもなどの生活機能が変化する人たちが、健康で安全に、そして、高度な社会参加を可能とする社会の構築(生活機能レジリエント社会*)が求められています。これらの問題は、いずれも、現在は、個人の努力の問題として扱われていますが、実際には、個人の手に負えない問題ばかりです。

手に負えない社会問題解決のためには、対象となる人間だけに注目するのではなく、課題が発生している実際の生活の場を含めた生活システム全体で人間を理解することが必要です。そのうえで、状況を手に負える化するための新たな人工物を、実際に機能している生活システムへと統合することで、生活システムを拡張する方法論が不可欠です。​生活セントリックデザインでは、生活状況を計測し、計算し、デザイン可能にする技術体系の創造をめざし、以下のような研究テーマに取り組んでいます。

形状計測時代にマッチした新たなセンサ化原理(Sensorization of deformable things):1990年代からセンサを埋め込むユビキタスコンピューティング技術、もしくは、同様の概念がIoTと呼び名を変えて発展してきました。一方、最近、安価なデプスカメラと機械学習の発展によって、日用品の形状変形情報から人間の活動を計測する新たなセンサ化技術が可能になりつつあります。センサ埋め込みの方法ではない今後の新たな流れとして、形状計測時代が射程とする新たなセンサ化、IoT化技術を開発しています。

非エルゴ―ド的人間理解技術(生活状況観察・理解技術):従来は、ラボや専門機関で短期的に多人数でデータを集めることで、集合平均=時間平均というエルゴ―ド的人間理解の研究が数多くなされてきましたが、感度が高い変化の検出が困難でした。しかし、IoTに発展によって、個人の長期の時系列データ計測を行い、感度の高い個人内変化の検出が可能になりつつあり、この新しい原理に基づいた生活理解技術を開発しています。

ビヘービアベースド生活理解技術(生活状況観察・理解技術):在宅環境でも環境の形状データ、姿勢データ等が取得可能になっています。姿勢認識・行動認識を前提とした、あるいは、事前に認識すべき対象が明確ではない行動に対して、教師無しで分類を行うことで理解するビヘービアベースドなアプローチが可能になっており、生活理解・生活支援技術に大きな変革をもたらしつつあります。乳幼児や認知症高齢者などに対して、こうした新たなビヘービアベースドアプローチを用いた生活理解技術の開発を進めています。1980年代に隆盛した包摂アーキテクチャーのロボットモジュール的ビヘービア、2000年代の行動経済学の心理的ビヘービアとは異なり、観察可能な行動現象から日常生活現象の理解やモデリングを進める新たなアプローチを目指しています。

状況の数理技術(生活状況という系を扱う数理技術):テキスト情報から得られる状況の意味論的ビッグデータ, センサから得られる状況の物理現象的データを活用し社会現象および物理現象の両方から人間の生活状況を観察可能にする技術や、これらの観察データから状況の全体像の理解、介入すべき状況の抽出、状況の再現や予測を可能とする技術を開発しています。文字、画像、動画というこれまでの多次元マルチメディアの方向だけではなく、環境と人からなる系の構成要素自体が変化する系を扱う方法論が求められています。

事例工学(Episode Engineering)技術:以前は、紙の大きさに情報が制約された時代がありました。例えば、知識伝達は、A4サイズの紙1枚以内とか両面で収まるようになどという時代がありました。そのため、専門家しか分からない、場合によっては、専門家でも分からないような抽象的な表現が取られていましたが、電子化の普及により情報媒体が大きく変化しています。知識表現それ自体が変わりつつあります。分厚い事例(エピソード)のデータベースがあり、それを状況に合わせて巧みに検索できるような形態の知識も現場に役立つ新たな情報提示であり、具体化困難な抽象的表現の問題の解決に繋がる可能性があります。

生活レイヤに踏み留まる生活シミュレーション技術:以前から、そして、今なお、機械工学では、有限要素解析技術をはじめとする物理的シミュレーション技術がよく利用されていますが、人を含んだ生活機械システムのモデリングやシミュレーションは未だよいものが存在しません。これは、支配方程式がないからです。そのため、そのような方程式が存在するミクロ側かマクロ側へと展開され、逆に、生活からどんどん遠ざかる方向へと研究が展開されがちになります。上述した、非エルゴ―ド的理解、ビヘービアベースド理解、状況数理技術、事例工学などを有機的に結びつけて、生活を計算可能なシミュレーションの開発を進めています。

リアルな生活条件下で機能する技術のための生活システム統合技術:社会実装をAttitudeの問題(寄り添いの問題)だけに帰着させないためには、そのための方法論が大切です。実際の生活環境で機能する際に最も重要なことは、実際の生活条件をよく知ることです。リアルな生活条件下で実際に機能する生体計測技術(ex., 深部体温推定)など、行動モデル、バイオメカニカルモデル、心理モデル、生活状況モデルを生活システムとして統合する研究を進めています。

Empowering Reality技術(生活デザイン技術):一般家庭、保育所、介護施設などの生活の場をデザイン可能にするためには、従来のように、課題に対応した様々な提案を行うだけでは不十分で、それらの提案が実際の生活場面で受け入れらない本当の理由に関する膨大なデータを取得し、その困難世界を乗り越えるための提案が不可欠です。こうした困難データ(不可能世界)の収集や、エンパワメント(可能化支援)のための情報提示技術や機械システムの研究を行っています。

これらの研究を、傷害予防学研究会(Childhood Injury Prevention Engineering Council)、産業技術総合研究所、東京都健康長寿医療センター、日本スポーツ振興センター、東京消防庁、東京都、神奈川県川崎市、厚木市、秩父市、長崎県大村市との多職種連携体制で研究を推進しています。

(*)生活機能レジリエンスとは、ロボット、AI、社会サービスなどによって、心身機能が変化しても、なお、健康で安全に社会参加ができる状態へと支援していくれることを意味しています。

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生活状況センシング技術

暑熱対策向けウェアラブルセンサ

熱中症対策に向け、活動中の暑熱リスクの把握に有益な生理指標である深部体温、心拍数、発汗量を計測するウェアラブルセンサの開発を基礎・応用の両面から進めています。

  • Hashimoto Y, Ishihara T, Kuwabara K, Amano T, Togo H (2022), “Wearable Microfluidic Sensor for the Simultaneous and Continuous Monitoring of Local Sweat Rates and Electrolyte Concentrations,” Micromachines, vol. 13, No. 4, 575, doi: 10.3390/mi13040575.

  • Hashimoto Y, Sato R, Takagahara K, Ishihara T, Watanabe K, Togo H (2022), “Validation of Wearable Device Consisting of a Smart Shirt with Built-In Bioelectrodes and a Wireless Transmitter for Heart Rate Monitoring in Light to Moderate Physical Work,” Sensors, Vol.22, No.23, 9241. DOI: 10.3390/s22239241.

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在宅階段手すり型IoTセンサを用いた複数人の高齢者の昇降特性理解

階段手すりに埋め込まれたセンサから歩行速度や把持ダイナミクスの長期トレンドを分析可能にする技術を開発しています。

  • Moe Hamada, Koji Kitamura, Yoshifumi Nishida, “Ambient understanding of stairway ascension and descension by the elderly using a handrail-based force sensor.” Procedia Computer Science, Vol. 177, pp. 405-414, 2020

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バッテリレス靴型位置センサを用いた認知症高齢者モニタリング

歩行時に発生する足裏の力変化を活用し、電池なしで位置を追跡可能にする技術を開発しました。

  • Kazuya Takahashi, Koji Kitamura, Yoshifumi Nishida, Hiroshi Mizoguchi, "Battery-less shoe-type wearable location sensor system for monitoring people with dementia," Proc. of the 13th International Conference on Sensing Technology, pp. 12-15, December 2 2019 (Macquarie University, Sydney, Australia) (Best Paper Award)

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身体保持力場の全空間マッピング

ウェアラブルセンサと姿勢認識機能を組み合わせ、いつ、どこで、体をどのように支えているのかという身体保持力場の解明のための新たな計測・分析技術を開発し、生活機能レジリエントなプロダクトデザインへの展開する研究を行っています。

  • Ayano Nomura, Yoshifumi Nishida, "Visualization of Body Supporting Force Field of the Elderly in Everyday Environment," Proc. of IEEE International Conference on Sensors, 2022

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Vision-based Force Sensor

安価なデプスカメラと機械学習を活用し、日用品の形状変形情報から人間の活動を計測可能にする新たな力センサ技術を開発しています。

  • Ryuichi Ikeya, Yoshifumi Nishida, "Visual Force Sensor to Estimate External Force Distributions from Shape Deformation," Proc. of IEEE International Conference on Sensors, 2023 (in press)

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生活状況理解技術(状況数理技術・非エルゴ―ド的人間理解技術)

ビッグデータを用いた状況リスク可視化

リスク要因として「状況(コンテクスト、プロセス)」を計算可能にする手法を開発しました。疫学的手法とテキストデータの分散表現技術を融合することで、典型的かつ重要な状況を可視化する技術を開発しています。状況R-Map手法は、学校現場のリスク分析に利用されています。

  • Masaaki Ozaki, Yoshifumi Nishida, Tatsuhiro Yamanaka, "Prioritizing Injury Situation to be Prevented Based on AI-Aided Situational R-Map," Injury Prevention, Vol. 28, supple 2, 2022

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高齢者の生活支援のためのフレイル早期発見や身体機能変化検出を可能とする非エルゴ―ド的人間理解

高齢者リビングラボ(在宅環境)による個人の長期間の在宅データを用いて、身体機能の微細な変化を捉える非エルゴ―ド的人間理解のための新たなセンシング技術、および、データサイエンス手法を開発しています.

  • Moe Hamada, Koji Kitamura, Yoshifumi Nishida, "Individual and longitudinal trend analysis of stairway gait via ambient measurement using handrail-shaped force sensor," IEEE International Conference on Sensors, 2021

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ビヘービアベースドな乳幼児発達行動診断

行動を直接認識対象とすることにより,高精度な発達段階推定を可能とする新たなビヘービアベースドな診断手法を開発しています。

  • Yoshifumi Nishida, Kento Komori, Miho Nishizaki, "Automated Infant Developmental Stage Estimation Method Using Image Processing and Denver II," Injury Prevention, Vol. 28, supple 2, 2022

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データ駆動型乳幼児よじ登り行動シミュレーション

従来、運動能力・認知能力が複雑に絡む、子どものよじ登り行動をシミュレーションする技術は存在していません。よじ登り行動データベースから予測する技術を開発しています。

  • Tsubasa Nose, Koji Kitamura, Mikiko Oono, Michiko Ohkura and Yoshifumi Nishida, "Data-driven Child Behavior Prediction System Based on Posture Database for Fall Accident Prevention in a Daily Living Space," Journal of Ambient Intelligence and Humanized Computing, 2020

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生活状況デザイン技術

Empowering Reality技術

新しい技術が使われない理由を考慮しながら、その個人が技術を使っている状態へと変化させてくれる技術Empowering Reality技術の開発を行っています。コロナ禍で急速に普及した遠隔会議技術と、画像処理・AR技術・状況グラフ技術を統合し、一般家庭、保育所、高齢施設等の仮想訪問時にその場で状況デザインを支援する技術を検証しています。

  • Mikiko Oono, Thassu Srinivasan Shreesh Babu, Yoshifumi Nishida, Tatsuhiro Yamanaka, "Empowering Reality: A New Injury Prevention Education System to Promote the Empowerment of Child Caregivers," The International Journal of Ubiquitous Systems and Pervasive Networks (JUSPN) , Vol. 18 , Issue 1, pp. 01 - 08, 2023

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免疫学を応用したリスク制御システム

  • 日々出現する多様な危険源にうまく対応している生体機能に免疫があります。病原体に対して免疫が持っている「抗原の多様性に対する予防機能の特異性」を情報学の観点から再現し、生活環境下の致死性状況の対応へと応用した「リスク免疫情報システム」の開発を進めています。

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疫学と現場データを統合した生活環境適合型リスク管理システム​

疫学と現場の傷害発生状況が類似したものを抽出することで今後起こりうる事故のうち,対策を優先すべき事例をVR/メタバース空間に提示するアルゴリズムを開発しています。

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目指す研究活動・研究者像

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社会と相互作用するデザイン

現場のディテールを観察することで、生活機能の構造的・定量的理解に基づいて問題構造を見つけ、社会的な問題として表出させ、現実的なソリューションを機械工学・情報工学等の知識を活用し、地域社会と生活者の制約条件を満たしつつ、多職種連携で開発し、持続可能な社会システムとして根付かせるまでの一貫した活動が推進できる技術者・研究者の育成

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7つの原則

  1. 現実問題・ニーズに対峙せよ.

    • 具体的な課題・本当にある問題を扱え.現実の世界は,基礎的な科学研究を導くよい研究課題の,もっとも豊かな土壌.(by Herbert A. Simon)

  2. 社会を変える具体的なストーリを作れ.

    • 技術が実際に役立つまでをコンプリート(一貫)させるシナリオを作れ. (by 金出武雄先生)

  3. 土台・土俵が無ければ,そこから作れ.

    • 「未整備」と指摘するだけではなく、「未整備」を克服する方策を考えろ.野党ではなく、与党になれ。

  4. 明日の常識・理論を作れ. 

    • 現実問題の解決に役立つ理論を目指せ.そうなってしまえば当たり前となる常識を作れ.技術がグロテスク化したら学術病を疑え、テーマを見直せ.

  5.  複雑系は,複雑系で解け.

    • 解きたい対象が複雑系であれば,解く体制も複雑系で取り組め.  

  6. ユーザ指向で完成度の高い技術まで極めよ.

    • 実用はゴールではなく,スタートと考えよ. 実用されることでしか,手に入らないデータがあり、そこからしか始まらない科学がある.実用は大きな価値.

  7. 知的好奇心から「知的解決心」へ.

    • 社会問題の解決は,制約条件を考慮しつつ,技術体系・社会体系の総力で解く極めて知的な活動.

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SDGsの観点

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SDGsで示されている社会課題は、そのままでは操作できない社会次元(具体性が捨象されたマクロな次元)の問題です。これを,生活次元での詳細な把握をもとに(生活現象というミクロな次元への生活次元展開),操作可能な状態へと問題構造を変化させられる技術体系を目指しています.

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Classmates in the Library

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